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トップページ >  診療科のご案内 >  脳・脊髄センター >  片側顔面けいれん

片側顔面けいれん


片側顔面けいれんとは

外来に受診される典型的な病歴は

「最初は少し右目の周りが時々ピクピクする程度だったんです。」
「そのうち緊張したりすると頻度が多くなって、最近になったら目の周りから口の方までずっとピクピクするようになってしまって・・・」

または

「目のけいれんがひどくなって来て目が開けられなくなってしまう事があるんです。」
「車の運転中に起こると危なくて車に乗られないんです。」

こんな症状で受診されます。特徴は「片側に起こる顔面のけいれん発作」で目の周囲から起こる事が多いようです。

片側顔面痙攣の原因

典型的な片側顔面痙攣の原因は顔面の運動を司る「顔面神経」の付け根に血管が圧迫することによって起こるといわれています。血管の圧迫により顔面神経に異常な神経回路ができ、顔面けいれんの原因になると考えられています。

片側顔面痙攣の検査

典型的な片側顔面痙攣の原因は顔面の運動を司る「顔面神経」の付け根に血管が圧迫することによって起こるといわれています。血管の圧迫により顔面神経に異常な神経回路ができ、顔面けいれんの原因になると考えられています。

画像検査

MRIによる詳細な画像検査を行います。また、詳細なMRI検査から3D画像を作成し、手術前に術野のシミュレーション画像の作成を試みています。

耳鼻科的検査

顔面けいれんの手術は周囲に聴神経などの重要な神経がありますので、手術が決まったら手術前に耳鼻科受診、耳鼻科的検査を受けて頂きます。

循環器科検査

循環器系(心・血管系)の病気を持っている方は手術が決まった際には術前に受診をして頂き、全身麻酔などのリスクが無いか判断します。

顔面けいれんの治療

症状が軽度の場合は飲み薬の治療を行います。緊張が引き金になって症状が悪化する場合もありますので、鎮静薬や抗不安薬を内服します。これによって症状の改善を図ります。内服しても改善しない場合やめまい、ふらつきなどの副作用が出てしまう場合にはそれ以外の治療法を選択します。

飲み薬以外の治療法

代表的な治療法として以下の治療法がありますが、その選択については施設の設備、主治医の経験や技術に左右される事があります。

ボトックス注射治療

ボツリヌス菌から産生される毒素を抽出して作られた製剤です。けいれんのある部位を中心に注射し、一時的に筋肉を軽く麻痺させます。このことにより顔面けいれんを押さえる効果があります。効果は3-4ヶ月持続しますが、多くの場合はその後はまた元通りに症状が出ます。症状が出現したら再度打つ必要があり年間4−5回の注射を必要とします。

手術治療について

耳の後方から手術します。傷は髪の毛の生えている部分の中につけますので、髪の毛が生えてくればほとんど目立ちません。

  1. 約6cm程の皮膚切開を行い、その下の頭蓋骨に500円玉大の穴を開けます。
  2. この先は小さな術野になりますので、手術用顕微鏡を使って行います。
  3. 小脳の表面を見ながら顔面神経がある部位まで到達します。周囲の血管、神経を傷つける事の無いように細心の注意を払って操作します。
  4. 顔面神経の周囲の原因となる血管を探し、これを顔面神経から剥がします。剥がした後再び顔面神経を圧迫する事の無いようにフィブリン糊(献血血液から抽出した接着物質)で固定します。当院では人工物を生体内になるべく留置しない方法をとっています。人工物を生体内部に留置しないことで、術後の癒着(固定した血管や神経が周囲の組織とくっつく事)などの可能性が低くなるとされています。

手術時間はほとんどの場合2時間程度で終わりますが、血管が何本も当たっている場合や、太い血管が当たっている場合など難しい症例によっては時間がかかる場合があります。

当院では年間30例近くの脳神経減圧術(三叉神経痛も合わせた数です)を行っており、脳・脊髄センター医師3名は全て片側顔面けいれんの手術治療に携わっています。当院ではボトックス治療、手術治療のいずれも受けていただくことが出来ます。

片側顔面けいれんでお悩みの方は当院へ一度ご相談下さい。