脳・脊髄センター
脳・脊髄センターのご案内
当科では、クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞を含めた救急疾患を含めて脳神経外科の全ての疾患に対して24時間対応しております。
特長
三叉神経痛、片側顔面けいれん、めまい耳鳴りに対する手術治療
三叉神経痛、片側顔面けいれん、めまい・耳鳴りに対する手術治療(神経血管減圧術)を数多く行なっており、手術の依頼が県内外から多く寄せられております。
実際の顕微鏡手術の映像。神経(青矢印)に血管(緑矢印)が当たっています。
術前にMRIから作製した3D画像。手術前にイメージをつかめることで、手術操作や術前シミュレーションに役立ちます。
脊椎・脊髄疾患に対する手術治療 ~頚椎前側方アプローチ~
脊椎・脊髄疾患(頚椎・腰椎の椎間板ヘルニア、頚椎症、後縦靭帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症、脊髄腫瘍など)についても力を入れております。
特に、頚椎の手術では、一般に行われている前方固定術や、後方からの椎弓形成術とは異なり、国内でも珍しい前側方経由による術式(前側方部分椎体削開術、前側方椎間孔拡大術)を採用して、患者さまやご家族から好評です。
この方法の特徴は、
欠点としては、手術視野が非常に狭く、顕微鏡手術およびこの術式に慣れていないと手術できないことです。そのため、とても良い術式なのですが、普及していません。
当科における前側方経由の頚椎手術件数は、2001年12月~2009年7月の間に、計73例です。(旧病院症例を含む。)新病院に移転してから増加傾向です。
頚椎の病気で通院治療中だがなかなか良くならない方、手術を勧められてお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。
特に、頚椎の手術では、一般に行われている前方固定術や、後方からの椎弓形成術とは異なり、国内でも珍しい前側方経由による術式(前側方部分椎体削開術、前側方椎間孔拡大術)を採用して、患者さまやご家族から好評です。
この方法の特徴は、
- 骨を削る量が少なく、自家腸骨やチタンケージ、椎弓スペーサーなどの移植を必要としないため、術後に頚部の固定をする必要がない(カラーも不要)
- 神経根の減圧を十分に行えるため、神経根由来の強いしびれや痛みから術後すみやかに解放される
- 術後の頚部の痛みがほとんどない(特に後方からの手術と比べて)
- 安静不要なため、手術翌日から歩行してよく、ストレスが非常に少ない
- 離床が早いために入院期間が短く(術後1週間以内)、そのため入院費が安くなるなどの利点があります。
欠点としては、手術視野が非常に狭く、顕微鏡手術およびこの術式に慣れていないと手術できないことです。そのため、とても良い術式なのですが、普及していません。
当科における前側方経由の頚椎手術件数は、2001年12月~2009年7月の間に、計73例です。(旧病院症例を含む。)新病院に移転してから増加傾向です。
頚椎の病気で通院治療中だがなかなか良くならない方、手術を勧められてお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。
前側方部分椎体削開術(ALPV)と前側方椎間孔拡大術(ALF)とは?
頚椎症や頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)の手術では、一般に前方からの前方固定術または後方からの椎弓形成術が行われています。いずれも長所・短所があり、いまだ決定的な手術法が確立されているとは言えません。
脊髄や神経根を前方あるいは後方から除圧の後、自家腸骨やチタンケージ、椎弓スペーサーなどの移植を必要とします。長い移植骨の挿入後にはハローベストが装着されますが、この場合には移植骨の逸脱、ハローリング装着部の感染、採骨部に関する合併症、装具による長期の患者さんへの肉体的・精神的拘束、固定により頚椎の生理的可動性を奪うなどの多くの問題を抱えています。
脊髄や神経根を前方あるいは後方から除圧の後、自家腸骨やチタンケージ、椎弓スペーサーなどの移植を必要とします。長い移植骨の挿入後にはハローベストが装着されますが、この場合には移植骨の逸脱、ハローリング装着部の感染、採骨部に関する合併症、装具による長期の患者さんへの肉体的・精神的拘束、固定により頚椎の生理的可動性を奪うなどの多くの問題を抱えています。
頚椎前側方部分椎体削開術
(antero-lateral partial vertebrectomy of the cervical spine,ALPV)
頚椎の前側方からアプローチすることにより、前縦靭帯と椎体の前部を温存しながら病巣を除去し、脊髄を圧迫から解放します。骨を削る量が少なく、自家腸骨やチタンケージの移植が不要なため、移植に伴う合併症を避けられます。3椎間、4椎間の病巣でも移植なしで手術可能です。
前側方椎間孔拡大術
(antero-lateral foraminotomy,ALF)
ALPV同様に頚椎の前外側からアプローチし、ALPVの削開範囲よりもさらに外側の椎体・椎間板を削除して椎間孔を解放します。頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアによって神経根が圧迫されている症例に行います。この手術も移植不要です。
当院では、病巣の範囲に合わせてALPV/ALFの削開範囲を決定しています。
代表例の術後CT画像を示します。
当院では、病巣の範囲に合わせてALPV/ALFの削開範囲を決定しています。
代表例の術後CT画像を示します。
頚椎前側方アプローチの最大の利点は、直接的に脊髄あるいは神経根の減圧ができ、しかも脊椎固定を行わないため術後の頚椎可動域が保たれることです。従って、長期的には隣接椎間の再狭窄等の問題を生じる可能性も低く、採骨に伴う問題も皆無です。
不利な点は、術野が狭いことから、顕微鏡手術を駆使した高度な手術手技を要することと、椎体を削除しすぎると、椎体支持性が損なわれる恐れが出てくることです。当院は手術室にCTがあり、術中CTを駆使して必要最小限の削開にとどめるように心がけています。
また、小原1)のALPV原法では骨欠損部の後縦靱帯を切除し、硬膜嚢の過膨張を防ぐために硬膜上にゼルフォームを2~3枚置き、フィブリン糊で死腔を補填していますが、当院では後縦靱帯は温存しています。これにより、術後の硬膜嚢の過膨張を防ぐこともできるし、支持性の維持にも役立つと考えています。
今後も症例を積み重ね、術式をより洗練し、術後合併症(C5麻痺など)を減らしていきたいと思っています。
不利な点は、術野が狭いことから、顕微鏡手術を駆使した高度な手術手技を要することと、椎体を削除しすぎると、椎体支持性が損なわれる恐れが出てくることです。当院は手術室にCTがあり、術中CTを駆使して必要最小限の削開にとどめるように心がけています。
また、小原1)のALPV原法では骨欠損部の後縦靱帯を切除し、硬膜嚢の過膨張を防ぐために硬膜上にゼルフォームを2~3枚置き、フィブリン糊で死腔を補填していますが、当院では後縦靱帯は温存しています。これにより、術後の硬膜嚢の過膨張を防ぐこともできるし、支持性の維持にも役立つと考えています。
今後も症例を積み重ね、術式をより洗練し、術後合併症(C5麻痺など)を減らしていきたいと思っています。
術中CTの設置
当院では、新病院に新築移転した機会に、手術室に術中CT検査を行えるように東芝製の大口径のCT(16列)を設置しました。これにより脳神経外科の手術がより正確に、より安全に行えるようになりました。
手術室にもマルチスライスCTを導入。全国的にも珍しい取り組みです。
手術中の病変部位除去の確認や、出血の有無の確認などがリアルタイムに可能となり、手術の安全性、手術精度の向上が期待できます。特に手術視野が非常に狭く周辺に重要組織があるなど、病変の広がりを十分確認できない脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科等に関連した深部病変の手術や脊椎等のケースで大変有用です。
スタッフ
龍 浩志 脳・脊髄センター センター長
経歴
昭和42年 | 千葉大学医学部卒業 |
平成元年 | 浜松医科大学医学部 助教授 |
平成13年 | 総合青山病院 脳神経外科 部長 |
平成20年 | 総合青山病院 脳・脊髄センター センター長 |
学位・資格
医学博士
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会認定医
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会認定医
専門分野
脳腫瘍・脳血管障害・脊髄疾患・顔面痙攣・三叉神経痛などの手術に携わり、後進の指導にもあたっています。
患者さんへのメッセージ
これまでの経験を生かして、大学病院や国公立病院と同レベル又はそれ以上の手術治療を目指し、患者さまにとって安心できる医療を心掛けています。
スタッフ
赤嶺 壮一 脳・脊髄センター 副センター長
経歴
平成6年 | 浜松医科大学 卒業 |
平成13年 | 浜松医科大学 脳神経外科 助手 |
平成20年 | 聖隷三方原病院 脳卒中科 |
平成30年 | 聖隷三方原病院 脳卒中科 部長 |
令和5年 | 総合青山病院 脳・脊髄センター 副センター長 |
学位・資格
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本脳卒中学会専門医
専門分野
脳外科全般
患者さんへのメッセージ
地域の脳神経外科診療にお役に立てるよう頑張りたいと思います
𠮷川 哲史 脳神経外科 部長
経歴
平成21年 | 名古屋大学医学部卒業 |
平成21年 | 市立四日市病院 初期研修医 |
平成23年 | 市立四日市病院 脳神経外科 医員 |
平成26年 | さくら総合病院 脳神経外科 医員 |
平成26年 | 名古屋大学 脳神経外科 医員 |
平成28年 | 総合青山病院 脳神経外科 医長 |
平成30年 | 総合青山病院 脳神経外科 副部長 |
令和5年 | 総合青山病院 脳神経外科 部長 |
学位・資格
医学博士
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会専門医
日本脊髄外科学会認定医
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会専門医
日本脊髄外科学会認定医
専門分野
脊髄
脳外科全般
脳外科全般
患者さんへのメッセージ
頚部痛、腰痛、手足のしびれ、歩行障害などは、頚椎疾患、腰椎疾患が原因の可能性は十分にあり、手術で改善することもあります。高齢だからと手術をためらう方もみえますが、80代、90代でも可能です。気になる方は一度受診してみて下さい。